低予算での映像制作を成功させるためのコツ

By 2016年2月17日映像撮影のコツ
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低予算での映像制作を成功させるためのコツ

低予算もしくは予算ゼロで映像を作るということは、言い方を変えれば極力自分が今持っている資源や人脈だけで映像を作るということだ。そのためには、シナリオと台本を書く前に自分が使えるリソースを把握し、そのリソースに収まる範囲でストーリーを構成する必要がある。リソースを確認すると同時に、千円だろうが1000万だろうが制作にいくらまでお金をかけられるのかもしっかり決めておこう。

フェーズ1 / リソースの把握

場所

自分の身の回りで、撮影に使えそうな場所をリスト化しよう。自宅、実家、友人のアパート、公園、オフィス、教室などなど。大金を支払わずに借りれそうなスペースを洗い出す。

役者

次に、自分の家族や友人のなかで役者として出演してくれる人、もしくは別の形で手伝ってくれる人もリストアップしよう。役者を雇う予算があるのであれば、候補となる役者をリストアップする。身内に頼る場合は、なるべく芝居に興味がある人を優先したほうがいい。素人でも役者が芝居に興味があるかないかで完成度にかなりの差がでてくる。そのリストに各候補者が過去に役者としてどの程度の経験があるのかも書いておこう。また、役者ではなくともエキストラとして出演してもらえそうな人もリストに含めく。ただし、撮影現場を荒らしそうな人物は知り合いでもリストから外しておいた方が吉だ。ただでさえ低予算で映像を撮ること自体大変なのに、それをさらに大変にしてしまう助っ人はまだいない方がマシだ。

機材

次にリストアップするのは機材だ。自分が持っている機材すべてと、友達から借りられるカメラや照明など、撮影に使える道具を書く。予算内で業者から借りられる照明機材などもここに含めよう。
また、撮影機材以外にも演出に使えそうな小道具もリストにしておこう。例えば、アクション作品であれば刀やエアガンなど。このリストがあるとシナリオを考えるときに役立つ。

イベント

撮影の時期に現場の近くで何かイベントが開催される予定がないか調べよう。お祭り、スポーツの試合、オートショーなど、こういったイベントをシーンに折り込むことによってイベントにかかっているプロダクション費用を勝手に自分の作品に加えることができる。こういったローカルのイベントの場でササっとちょっとしたシーンを撮影しても意外と問題はおきないし、無料で大量のエキストラに出演してもらえることになる。もちろん作品の公開レベルに応じて、許可とるか背景にぼかしをいれることをオススメするが。

フェーズ2 / シナリオ・台本作成

ロケーションを少なくする

映像に登場するロケーションはなるべく少なくしておくことをお勧めする。二時間の映画を作るのであればメインのロケーションは4〜5個所くらいにおさえて、ショートフィルムであれば1〜2個所で十分だ。移動に時間がかかる場所は選んでしまうと移動に時間とお金がかかるので要注意。

役者を少なくする

重要な登場人物が多い撮影は、一人でも役者が参加できなくなるとすべて台無しになる可能性がある。そのような失敗が許されない低予算の撮影では、リスクをなるべく回避するために主な登場人物は4〜5人までに絞り、他数人のサブキャラでストーリーを構成しておいたほうが安全だ。どんな長さの映像をつくろうが、役者の人数は少ないにこしたことはない。

無理な演技をさせない

プロの役者を雇わないかぎり、泣くシーンなどの難しい演技を要するシーンは入れないほうがいい。一番良いのは、本人らしいキャラクターを演じてもらうことだ。自分の弟であれば弟の役、といった具合だ。役と実際の人物像が近ければ近いほど、自然といい演技になる。

エキストラが必要なシーンを避ける

エキストラを雇う余裕がない場合は最初からそういうシーンを避けて台本を書こう。例えばバーで二人が会話するシーンを書いたのに、撮影時に他の席に誰も映っていなかったら不自然でアマチュア感丸出しの映像になってしまう。エキストラを雇うにしても、そういうシーンを増やしすぎると一気に予算が嵩むので注意が必要だ。

夜間の屋外シーンを避ける

夜に外で撮影するときは照明が命だ。駐車場や広場で夜に撮影するとなったら、本格的な照明機器なしでまともなテイクを撮るのは不可能だと思った方がいい。照明器具と発電機をレンタルする予算があればいいが、コストは一気に高くなるし、それらをうまく使うノウハウも必要だ。台本を書いている段階でそういうことを頭に入れておこう。

CGエフェクトを使うシーンを避ける

CGやSFXもまたお金がかかる要素だ。唯一低予算でできる方法は自分でやるしかない。ただ、あまり制作経験のないエフェクトを使うのであれば大きい案件では絶対にやめておいたほうがいい。そういうのは必ずかなりの試行錯誤が必要になるので、もっと失敗してもいいような個人の作品で練習してから大きい作品に取り入れよう。

フェーズ3 / 撮影の準備

ロケハン

撮影に使う場所は必ずきちんとロケハンをしよう。その環境で撮影をするには何時頃がベストなのか把握するのと同時に、撮影時に起こりうる問題も探って予め対処法も考えておくべきだ。低予算の撮影ではその場所をタダか格安で借りることもあるだろう。その場合、利用可能時間は貸主の都合に左右されることになる。使わせてもらえる時間帯に間違いがないか確実に握っておこう。ロケーションだけでなく、機材や役者もおなじだ。友人からタダで借りる機材は、その友人の都合で簡単に予定が狂うこともあるし、タダで出演してもらう役者も本人の都合が第一優先になって当然だ。ミスコミュニケーションがないように細心の注意を払おう。

フェーズ4 / 撮影当日

カメラの動きは最小限に

撮影中、カメラを動かせば動かすほど撮影の時間が長引く。なので、カメラを動かすシーンは最小限に抑えたほうがいい。使い慣れていないドリーやクレーンやジブは取り入れないほうが現場までの移動も楽になる。これらの機材を使わずにシンプルなワークフローでもプロフェッショナルな作品を作ることは十分可能だ。

食料を用意する

撮影中、空腹の役者やスタッフと仕事することだけは絶対に避けたい。お腹がすくと頭の回転が悪くなったり機嫌が悪くなる人が多いからだ。関係者がお腹が空いたらいつでも食べてもらえるように食料を用意してあげよう。安く作れるスパゲッティやカレーを大量に作って鍋ごと持っていくか、誰かにもってきてもらうといい。みんな格安で手伝ってくれている仲間だ。せめて食事くらいはおもてなしするべきだ。

マジックアワーと夕暮れを最大限活用する

屋外のシーンは日の出と夕暮れのタイミングに行うと、最高に美しいライティングで映像が撮れる。このタイミングだけは太陽の光がやわらかく、日中の太陽光の激しさがない。マジックアワーでは他に照明器具を全く使わなくても美しくプロフェッショナルなテイクが撮れる。ストーリー上の時間で昼間の12時のシーンをマジックアワーに撮影しても見てる人は全く気づかないものだ。これは実際ハリウッド映画でも常に使われているテクニックだ。日中のきつい日光を道具をつかって対処しながら撮影するよりもカメラと役者だけでマジックアワーに撮影するほうを断然楽で安く済む。

フェーズ5 / 編集

自分で編集する

コストを最小限に抑えるのであれば、編集作業を外注せずに自分でやるのが一番だ。その代償としてかなりの時間がかかるのは仕方がない。

著作権に守られている音楽は使わない

有名な曲であれば使用するのにかなりのコストがかかるので、友人や知り合いが作った音楽を使わせてもらうか、自分で作るか、フリー素材を探して使おう。

最後に

低予算で映像を作るときに、低予算に縛られている事実と戦ってしまう人がいる。そういう人が作る作品は妥協している感がでてしまう。なのでお金がないことを逆に受け入れて「低予算」を映像に活かしてしまおうと考え方を切り替えるたとたんにアイデアがたくさん湧いて出てくるものだ。特にホラー、コメディー、ドラマ系の作品では低予算でもかなりのクオリティに仕上げることができる。逆にそれが若干難しいのはアクションとSFだ。

低予算で映像を撮るのであれば、他の低予算の作品をたくさん見て参考にしよう。そうすると新しいアイデアや方法が浮かんでくるはずだ。また、好きな作品のメイキング映像を片っ端からみていくのも凄く勉強になる。

結論としては、低予算での映像制作は与えられた資源を最大限活用し、しっかり準備をすることが重要だ。ときには時間をかけて自分のスキルを磨かざるをえないこともあるかもしれない。だが低予算ということを受け入れてしまえば、いろんな工夫をして素晴らしいプロフェッショナルな作品に仕上げることが可能である。

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