Sony FDR-AX100の徹底レビュー

By 2014年10月21日4Kカメラレビュー
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sony fdr ax100レビュー

Sony FDR-AX100はプロフェッショナルカメラと一般消費者向けカメラを別けるラインをぼかすような存在だ。
本体は小さく、使い安く、比較的安価だ。それに加えて大きなセンサーと素晴らしいレンズと、手に余るほどのマニュアルコントロール機能を装備している。
SONYのハンディーカムシリーズは1985年から続いているラインだが、初期型から現在に至るまでには数々の進化を遂げてきた。
このデジタルの時代では色んなものが驚く速さで、小さく、速く、安くなってきている。
4K映像が話題を呼ぶ中で、映像制作者と消費者は、これまで以上の解像度に手をつけようとよってたかっている。
しかしまだ4Kが一般的に普及しきっていない大きな理由として、4Kはカメラのコストが高いということと、カメラの操作の難易度が一気に上がるという点がある。
更に、上位4Kカメラは非常に高いビットレートで記録するので、その分の必要なディスク容量が増え、結果的にもっとコストが高くなる。

そんな今の時代が求めていたのがこのカメラ、Sony FDR-AX100はプロ仕様とお手頃仕様ギャップを埋めるカメラだ。
効率の良いXAVC-Sコーデックを使って4K UHDでの撮影ができ、大きさはこれまでのハンディーカムシリーズと大して変わらない。
このカメラの使いやすさとお手頃さであれば、プロも一般使用者にとっても購入よハードルが下がり、4K動画の導入がしやすくなった

外観

sonyのハンディーカムシリーズはこれまで一般消費者をターゲットしてきたが、このFDR-AX100に限ってはプロにも「おっ」と言わせる要素がある。
ボディの横に輝く「4K」のエンブレムはそのカメラの目玉機能を謳っていて、全体的に洗練されたルックスだ。クオリティの高い仕上がりのテクスチャーはプロフェッショナルなフィールを感じさせ、実際に手に持ってみても凄く心地がよくバランスが取れている。
見てわかる通りこのカメラはポケットに収まるようなカメラはではない。重さは約0.9kgで、大きさ的にも重さ的にもSONYのハンディーカムシリーズの中ではトップクラスを象徴しているが、それでもSONYの完全プロ仕様のカメラに比べたら圧倒的に小さくて軽い。
前方のレンズフードとカバーはしっかりしていて、簡単に付け外しができる。FDR-AX100を付属のストラップを使って手に持つと心地がよく、静止画の撮影ボタン、録画ボタン、フォーカスマグニファイヤーにも簡単に手が届く位置にある。カメラを持つ手で操作できるズームのレバー上位のボタンもある。カメラの背面には折りたたみ式でティルトもできるビューファインダーがと、装備されている三つのNDフィルターのコントロールボタンがある。バッテリーは三脚のプレートの接続箇所より十分離れた位置にあるので、大抵の中型の三脚であれば設置したままバッテリーの取り替えが可能だろう。カメラの左側には3.5インチのLCDタッチスクリーンがあり、その下にiris、gain/ISO、シャッタースピードのマニュアルモードボタンが配列されている。前の方にはマニュアルモードのときに設定を調整するためのダイアルがある。
そのダイアルの上にはオート/マニュアル フォーカスボタンと、レンズの淵のリングがフォーカスかズームかをスイッチするためのボタンがある。LCDスクリーンを開くと、SD/Mカードスロットと、プレイバックモードボタン、ナイトショットボタン、その他ピクチャーパラメータが顔を出す。カメラの上部には備え付けの5.1チャンネルサラウンドマイクと、その他アクセサリーをマウントできるホットシューがある。全体的に言えるのは、このコンパクトさと持ちやすさの中にすべてが上手く収まっているということだ。

top

FDR-AX100front

FDR-AX100side

FDR-AX100side2

FDR-AX100top

性能

このカメラの3.5インチLCDパネルは解像度が高く、直射日光の下でも視認性が良い。このLCDスクリーンはタッチパネルにもなっていて、設定の変更などを行うことができる。ホーム画面には録画ボタン、ズームボタンに加え、カメラのあらゆる設定を指すボタンが大量にある。これらの一部は、カメラの電源を入れたときに一時的に表示されるだけではあるが、画面を触るとまた表示されて簡単に設定を変更できる。録画中に画面に邪魔者が少ないので非常に助かる機能だ。たが、メニューの構成はカテゴリー別に分かれており、探している要素がなかなか見つからず混乱を招くこともありそうだ。更にイライラしてしまうのは、メニューの階層は最大3段階まであり、何か一つを設定完了すると一番最初の階層まで画面が戻ってしまうことだ。なので、次にすぐしたの要素を編集したいにもかかわらずトップからまた掘り直す羽目になる。

このカメラには調整可能で、明るく鮮明なビューファインダーもついている。細部のフォーカスを合わせるときや、まわりにLCDスクリーンの光が漏れると不味い状況で使える。

ZeissのレンズとExmor CMOSのセンサーの組み合わせは、シャープで生き生きとした色を映してくれる。センサーが比較的大きいので、レンズのf値を低めにすると被写体深度を浅くできる。

レンズには12倍オプティカルズーム機能がついていて、右手の人差し指でロッカー式のレバーで操作ができる。このレバーは小さく、振れ幅が狭いのでゆっくりとズームをしたいときは、指先を

どの焦点距離でも映像はクリアで撮れるが、ズームした状態で早めの動きをすると激しくローリングシャッター現象が起きる。

レンズリングを回すには程よい抵抗力があり、フォーカスとズームを思い通りにコントロールできる。フォーカスに関しては、LCDスクリーンを使ったフォーカスマグニフィケーションツールを使えば更に簡単に操作ができる。マグニフィケーションのボタンを押して、LCDスクリーンで拡大したいところをタッチする。その状態からは矢印ボタンを使って拡大エリアの位置を調整できる。
オートフォーカス機能は結構安定しているが、たまにズームアウトをしながらパンニングを行ったとにに数秒間ピントが合わずにボヤけたままになることがある。

FDR-AX100には3つNDフィルターが埋め込まれていて、屋外の明るいところでf値を低くして撮影したいときに役に立つ。NDフィルターは手動でも設定てきるが、最小のアパチャになったり露出が明るすぎるときに発動させるオート機能もある。オートNDフィルターの精度は悪くはないが、フィルターがオンになる瞬間、僅かに画像がチカつくのが気になるところだ。

レンズはソニーのSteadyShotイメージスタビライザー機能もついていて、歩きながら撮影したり、望遠で撮影したときの手ぶれを補正してくれる。ただし、カメラをもって立ち止まっているとき、このスタビライザーの挙動は若干不安定に感じた。他のカメラであればスムーズにスタビライザーモードに入るところを、このカメラでは、ピタっとスナップするような動きをする。この挙動は望遠で撮影しているときにしか気づくことができないが、そういう用途で使う予定があるのであればちょっと厄介かもしれない。

FDR-AX100で特に嬉しいのは、f値、ISO、シャッタースピードをそれぞれ個別に変更できるという点だ。これらの要素を編集するには、各要素のボタンを押して、小さいダイヤルを回して数値を変更する。マニュアルボタンを長押しすれば、露出やホワイトバランスを設定できるようになる。
このマニュアル調整機能は非常に自由度が高くて便利な反面、何かのボタンを押す前に、今どの要素を編集しようとしているのかをちゃんと把握するように気をつけなければならない。現在選択中の設定のボタンを押すと、オートモード戻って不本意にマニュアルで設定した数値がリセットされてしまうからだ。

FDR-AX100は1インチのセンサーを使用していて、暗い場所でも綺麗に映像を撮ることができる。それでも明るさが足りないときはISOをあげればなんとかなる。当然ISOを上げるとノイズが加わるが、FDR-AX100の価格帯で大きさも同じくらいのカムコーダーに比べると、ノイズレベルが気にならず、カラーレベルに与える影響も少ない。本当真っ暗な場所であれば、ナイトショット機能を使えば赤外線で映し出した映像が撮影できるが、こちらは完全に別の色になる。ナイトショット機能を使う際は、レンズフードを外さないと赤外線の邪魔をして被写体に不自然な影が映り込むの気をつけなければならない。

FDR-AX100には5.1チャンネルサラウンドマイクが埋め込まれていて、もっと高い価格帯のプロ仕様カメラにしかないようなマニュアル設定も可能だ。例えば、風の音を削ったり、マイクが音を拾う方向を指定したり、カメラマンの声が録音されないようにすることさえも可能になっている。
補足:5.1チャンネルの録音はAVCHDでないとできない。XAVC-Sモードはステレオ録音になる。

もうひとつFDR-AX100の面白い機能として、wi-fiが埋め込まれていて動画をすぐにモバイルデバイスに送ってシェアすることができたり、モバイルデバイスをカメラのリモコンとして使うこともできるというものがある。動画をモバイルに転送するには、デュアルレコーディング機能を使ってフルサイズの動画と同時に別途ビットレートが低いmp4版も記録する設定にしておかなければならない。ソニーのPlayMemories MobileアプリはAndroidのiOSで無料ダウンロードできる。

FDR-AX100は様々な観点から見ても完璧近いカメラだが、ほんの幾つか、減点したいところがある。
一つ目は、備え付きのホットシュー用のアダプターがないためフィールドモニターなどのパワードではない機材を付けるときに不便だというところ。二つ目は、メディアカードのスロットが一つしかないというところ。二つ目あればもっと長時間の撮影が可能になったりバックアップ用に同時に記録するということができない。そして最大の減点は、今回テストで解像度やフレームレートの設定を変更している際に何度かカメラ自体がフリーズしてしまったことだ。フリーズすると画面の上半分はぐちゃっとした状態になり、バッテリーを本体から一旦取り外さないと正常な状態には戻らなくなる。この様な問題は既にファームウェアのアップデートなどで解消されている可能性も十分あるが、一応書いておいた。

総評

SONY FDR-AX100は、一般消費者向けとプロ向けカメラの境目にあるカメラだが、両者にとって嬉しい存在だ。見た目と握り心地は一般消費者向けのカムコーダーと同じだが、スペックと動作はプロ仕様のものに近い。価格もお手頃で、小さく使い勝手も良い。センサーも大きく、素晴らしいレンズを装備していて、かなりのマニュアルコントロールができる。もし4Kの世界に飛び込みたいが、プロとして案件でも、消費者としてカジュアルにも使用できるカメラを探している人には是非FDR-AX100をお勧めしたい。

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