Blackmagic Production Camera 4Kの徹底レビュー

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Blackmagic プロダクションカメラ4K

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Blackmagic Production Camera 4Kのボディのデザインは、Blackmagic Cinema Cameraと同じく16.5cm×13.3cmで約1.5kgのユニークでがっちりとしたものになっている。一般的なカメラのボディと全然形が違うので、長いシーンを撮るのにずっと手持ちでするのは正直すごく違和感がある。使ってみると、三脚を使わないシーンでは、せめて簡易的なケージかショルダーマウントが必要だと誰しもが感じるはずだ。
ただし、商品名にも含まれている”Production”という単語は、そもそも固定マウントは前提としたプロフェッショナルカメラだという意味も持っているということを忘れてはいけない。

クオリティコントロール

主な機能をコントロールするボタンは10個ある。アイリス、フォーカス・ピーキング、録画(表と裏に一つづつ)、停止、再生、ナビゲーション(2つ)、メニュー、電源だ。それ以外の機能はすべてタッチスクリーンのメニューからアクセスする。
本体の左側には接続端子が集まっている。そこには、ベーシックなリモートカメラコントロール用の2.5mm LANC、1/8inchのステレオヘッドホンジャック、1/4インチのバランスドオーディオ入力×2(line・micレベル対応)、6G-SDI 10-bit 4:2:2 BNC出力、 HDビデオとオーディオキャプチャーができるThunderboltポート、内蔵バッテリーを充電するための12V〜30Vの電源ジャックが装備されている。
Blackmagic Production Camera 4Kは取り外し可能な2.5インチのSSDに記録する。そのポートは本体の右側にあり、そこにはUSB 2.0 mini-B 接続もある。指先が太い人はSSDをつまみ出すのに苦労するかもしれない。

blackmagic 4k 横

13cm弱のLCDタッチスクリーンの解像度は800×480で、映像を確認するには十分シャープではあるが、反射性が強く、屋外での撮影では工夫が必要だ。付属のラバースクリーンフードは取り付けも簡単で、こういう場面でそれなりに役に立つ。

blackmagic 4k スクリーン

だが本格的に屋外で映像を確認するならば、フードにエクステンションをつけるか、そこらにあるジャケットやシャツを使ってカメラと自分の頭を光から遮断する必要があるだろう。

blackmagicフード

Blackmagic Production Camera 4Kには1/4インチのマウントホールが本体の上下にひとつづ付いていて、ロケーターピンもあるので安全だ。少し気になるのは冷却ファンと通気穴が底面にあるがマウント方法次第ではブロックされてしまうかもしれないというところだ。

The Blackmagic Production Camera 4KのレンズマウントはEFとZE対応で、多くのキャノン製レンズのアイリスを電子的にコントロールできるようになっている。Blackmagic Cinema Cameraでは同期されなかったEF 17-40mm f/4L USM と EF 85mm f/1.2L USMも嬉しいことに、このカメラでは正常作動を確認できた。85mmの方に限っては、フォーカスリングにも電力が必要だなため、このように4Kのほうが多くのレンズに対応できるという違いは、単なるファームウェアのバージョンの差ではないはずだ。

特筆すべき機能

このカメラの最大の魅力はやはり、Ultra HD解像度と、スーパー35サイズセンサーとグローバルシャッター、12ストップのダイナミックレンジと素晴らしい録画フォーマットだ。この記事を書いている今現在ではメーカーが謳っている視覚的にはのロスレス圧縮 cinemaDNG RAWではまだ録画ができないが、ファームウェアのアップデート後にその機能が有効化されるとのことだ。
このカメラの名前に入っている”4K” とは実は近似値であって、DCI 4Kスタンダードの4096×2160ではなく、Ultra HDの3840×2160だ。UltraHDはテレビのスタンダードで、DCIは映画のスタンダードだ。
スクリーンレシオも微妙に違って、DCIは1.9:1だが、UltraHDは見慣れた16:9になっている。不足している256ピクセルがないと不便かと聞かれたら全くそんなことはない。
寧ろUltraHDだけでさえでもかなり大きい。本格的に映像を確認したいなら4Kのモニターを用意する必要がある。それなりのモニターがなければCPUに負担をかけてリサイズをしなければならないので注意が必要だ。

このUltra HD映像とグローバルシャッター付きスーパー35サイズのセンサーと12ストップのダイナミックレンジは実に素晴らしい。様々な解像度のテストを行った結果、センサーの性能に間違いはなく、安定のUHD解像度を確認できた。いくつかのフレームを取って、Photoshopで開いて被写体の輪郭の淵のあたりのキレ具合などを確認した。Apple ProRes 422を使用したが、その非圧縮率とシャープさには驚かされた。最終出力がSDやHDだとしても4Kで撮影することには多くのメリットがある。例えば、クロマキーがより綺麗になったり、画角の調整ができるという点だ。4Kでの撮影では、最終的なアウトプットがインターネットであれビッグスクリーンであれ、フォーカスを合わせることがなにより重要になる。なので、リアパネル右上にあるフォーカスボタンの性能は頼り甲斐があり、正確なピークの情報を出してくれる。ボタンを押すとオンとオフで切り替えられるが、ユーザーにフォーカスの強度、色、レンジなどを調整させる機能はない。だが、それでもほとんどの場面では全く問題はないだろう。

新しいセンサー

Blackmagic Production Camera 4Kのセンサーは21.1mm×11.9mm で1.7のクロップファクターが与えられる。blackmagicのcinema cameraの15.8mm×8.9mmセンサーの2.3クロップファクターに比べるとかなり大きくなっている。例えば100mmのレンズを使ったとき、cinema cameraでは230mmのフィールドビューのところProduction Camera 4Kでは170mmのフィールドビューになる。更にセンサーが大きいと同じf-stopでもフィールドの深度が浅くなるという利点もある。ローリングシャッター現象はもう現代の悩みではない。センサーに内蔵されたグローバルシャッターによって、これまでほとんどの一眼レフカメラが抱えていたローリングシャッターの問題を解決している。これで、もう素早いパンニングをしたり動きの速いクルマを撮影しても縦に画面が歪む心配はない。実験的に、blackmagic production camera 4kと、cinema cameraを同じ三脚に並べて固定し、縦向きのフェンスの前で左右に素早くパンニングをして録画してみた。結果の差を見て、ローリングシャッター現象はもう過去の存在だと悟った。ただし、ローリングシャッターの問題は解決したが、cinema cameraよりもLCDスクリーンのレスポンスが若干鈍いことも発覚した。

Blackmagic Production Camera 4Kを発売直後に使用したユーザーは、いくつかのピクセルが真っ白のままになっている、つまりデッドピクセルがあると報告している。これに関して我々は、レンズにキャップをした状態で、3つのISO設定(200、300、800)で録画をし、それぞれのクリップから1フレームをPhotoshopで開いてデッドピクセルがないか確認した。結果は異常なしだ。ただ、Adobe Premiere Pro CCのRGB パレードスコープによるとISO800のフレームでは10%以上のノイズが乗っていることがわかった。

それを更に調査するため、暗いところでの撮影を試してみた。ISO800でいくつかの暗いシーンを撮影したところ、暗いトーンの部分だけでなくミッドトーンあたりにもノイズが見られた。照明のコントロールがきかない環境では不向きなカメラなのかもしれない。ISO400ではほとんどノイズがなくなり、ISO200では照明の明るささえあれば非常に鮮明な映像を撮ることができる。

コントラストとダイナミックレンジのテストとして日中に木がたくさんある場所で撮影をした。アイリスボタンを押すと、一番明るい部分が画面でしるされる。こうすることによって一切クリッピングをせずに録画かすることができるのだが、これが非常に敏感なので少しだけクリッピングさせたほうが適度な露出を得ることができてオススメだ。このボタンはスタート地点の目安として使うといいかもしれない。この時撮影したクリップを付属のDaVinci Resolve 10を使ってグレーディングしてみたところ、真っ暗になっていたところを明るくしてディテールを復元させることができた。

色味のテストとしては、青々した草をバックに彩度の高い服を撮影した。このカメラにはオートホワイトバランスの機能はなく、3200から7500までの6つのプリセットから選ぶことになる。色味の微調整をする必要があるときはすべてポスト編集になる。ポスト編集で、彩度を25%もあげて、4倍に拡大して見ても画質のシャープさの劣化や色の滲みは見られなかった。ProRes 422では画質を劣化させずに色調補正を自由にできるだけのカラー情報が記録されているので安心だ。
更にテスト撮影をしていいてわかったのだが、最近のほとんどのビデオカメラとは違ってデフォルトの彩度を高い設定ではなく正しいホワイトバランスにした状態が一番肌の色がナチュラルになる。

4K動画を編集するにはパソコンのパワーが要求される。我々の環境は8-core 2.33GHzのプロセッサ Windows 7 64-bitでPremiere CCを使用しているがリアルタイムで基本的な編集は問題なく行えた。4K動画編集に必要な最低限のスペックについては後日書こうと思う。

音声

Blackmagic Production Camera 4Kにはモノラルマイクが埋め込まれていて、カメラの冷却ファンの音もキャッチするほど敏感だ。このマイクの用途はレファレンスとなる音声を録音するためだ。ファムタムパワーは備わっていないが、1/4インチのバランスドオーディオ入力を使えば本格的な音声の録音ができる。自動でレベルを調整してくれる機能はなく、画面上にもメーターのようなものはないのでヘッドホンを使用してレベルを確認する必要がある。本体から音を再生したときの音質は薄っぺらいがクリアだ。編集ソフトで開いて見るとノイズもかなり少ない。このカメラのオーディオ機能は特筆すべき内容だとは言い難い。きっと多くのプロデューサーは別途レコーディング用の機器を使うだろう。

総評

Blackmagic Designはまたもやとんでもないカメラを発表した。Ultra HDのセンサーのおかげでローリングシャッター現象の問題の排除に成功し、細部のディテールまで非常に鮮明な映像が撮影できる。プロ仕様の録画フォーマットや対応しているのでポストエデティングを自由にできるだけの余裕が素材にできる。更に近日解禁予定のCinema DNG RAWフォーマットが使えるようになったら尚更自由度があがるだろう。

弱点としては、暗いロケージョンにはあまり向いていないところと、本格的な音声の録音には別途機器が必要だというところだ。だがそれ以外の点は文句なしだ。30万以下でここまでプロ仕様のカメラはコストパフォーマンスが素晴らしい。

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