強敵現る。Sony a7S ILCE-7S vs Lumix DMC-GH4 検証比較

By 2014年12月25日4Kカメラレビュー
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強敵現る。Sony a7S vs Lumix GH4 検証比較

まず、Sony a7SよりもLUMIX GH4に興味があるという方は先日のGH4最強説を先にチェックしていただきたい。今回もその動画を公開したアメリカのカメラマン、Dave Dugdaleによる比較だ。



今回の動画の冒頭では、GH4とA7Sを比べるのは、リンゴとオレンジを比べるようなものだと例えられている。どちらのカメラの特徴も共通して「クリーン」というところだが、GH4はディテール面でクリーン、一方A7Sはフルフレームカメラなので高いISOでもノイズが少ないという意味でクリーンだと。実際に二つのカメラを使って撮影された映像を検証比較するとどうなっているのだろうか。

gh4 a7s 比較

ディテール

▼低ISOでGH4とa7Sを比較すると、GH4の方がディテールが細かく写っている。
gh4 a7s detail

▼5Dとa7Sを比較すると差は圧倒的で、a7Sのシャープネス設定を一番低くしてもa7Sのほうが大分細かくディテールを保持している。
a7s 5d detail

▼この60fps ISO3200の映像だと、GH4よりa7Sのほうがディテールは細かくなる。ISOをあげるほどにGH4はノイズが酷くなるがa7Sはひたすら耐えることができる。
高ISO比較

GH4はデフォルトのシャープネス設定だと髪の毛が一本一本くっきりしすぎて逆に不自然に映るという声もあるが、シャープネスを一番低く設定すると自然な写りになるので、人を近くで映すときはそういう設定したほうがよさそうだ。a7Sではそのような問題はなく、ちょうどいいシャープさの写りだ。

gh4のシャープネステスト

gh4シャープネステスト2

gh4とa7sシャープネス比較

ローリングシャッター

GH4とA7Sを一つの三脚に固定した状態で、左右に揺らしてテストしたところ、a7Sの方がローリングシャッター現象が著しかった。

ローリングシャッター

▼だが、アクションシーンを想定してa7Sを持って走って撮影をしてみたところ、ほとんどローリングシャッターは気にならなかった。
アクションシーン

ちなみにウィップパン(ムチの様に左右に勢い良くパンをすること)をするなら、間に直角にを置いておくとそれを基準にAfterEffectsで結構簡単に補正するとができる。

エイリアシング

エイリアシングはGH4もほとんど確認できないが、このショットでライフガードの足元のケーブルがほんの少しだけエイリアスが確認できたが、a7Sでは確認できなかった。ただし、GH4でもこのようなエイリアシングは滅多になく、何千ものフッテージを撮影して唯一確認できたのがこんなものなので、あまり気にすべきレベルではないだろう。

エイリアシング

被写界深度

こちらの比較画像をみても、どちらがどっちのカメラかわからないくらい被写界深度に大差はない。

被写界深度

暗い場所

完全な暗闇の中じゃなく、日が昇る直前に撮影して検証した結果がこれだ。

▼ISO1600 GH4では少しノイズがでている。
暗いところでのテスト1

▼ISO3200 GH4はノイズが酷くなってくる。
暗いところでのテスト2

▼ISO6400 GH4で撮影するのは厳しいレベルだ。一方a7Sは耐え抜いている。
暗いところでのテスト3

▼RED EPICとの比較してもa7sのほうが圧倒的にノイズが少ない。まぁ、EPICは元々暗い環境に向いていないのだが。
暗いところでのテスト4

バンディング

繊細なグラデーションを撮影したときに、色が階段のように別れて写るバンディング現象を探したが、何千ものショットを撮影して、唯一見つかったのが、このa7Sで撮影した空のシーンだ。この映像はポストで色の補正などは一切していない。但し、滅多に写るものではないのでそんなに気にすることではないと思う。

バンディング

カラープロファイル

S-log2

これは公式のマニュアルにも書かれていないが、プロファイル選択の画面でPP7を選ぶとS-log2になる。S-log2(エスログツー)とは、業務用のハイエンドカメラから受け継いだピクチャープロファイルで、これがa7Sのような25万円くらいのカメラで使えるのは素晴らしいことだ。
pp7

▼ニュートラルプロファイルとS-log2で撮影した映像を比較すると、S-log2では黒いエリアの情報もたっぷり保持されているかわかる。つまり、S-log2はカメラに最もフラットな映像を記録させているようなものだ。しかし、S-log2は素人にはカラーグレーディングが難しいのと、ISO3200がベースとなるので、NDフィルターが必要になるという難点がある。
ニュートラル
s-log2

S-log2の露光設定

S-log2向けの露出設定は、何人かのプロによって2ストップ下で露出することを推奨されているが、Daveはそうは思わないとのことだ。下記のように比較をしていくと、2ストップほど露光過度にしたほうが結果的にノイズがかなり少なくなるとのことだ。多少白飛びしたりするかもしれないが、絶対に飛ばしたくないところだけをゼブラパターンで確認しながら撮ればいいと勧めている。

s-log2向け露光設定

▼プロに推奨されている2ストップ下は、ノイズが酷い
s-log2向け露光設定

▼Dave推奨の2ストップ上は、ノイズがない
s-log2向け露光設定

Cine2とCine4

Cine2とCine4のプロファイルを比較すると、Cine2のほうが情報が若干多いことがわかる。(木のあたりに注目)

cine2 cine4

その他のカラープロファイル

29

30

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35

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↑のS-log2 S Gamutで撮影した映像を見ると、空の色がおかしいことがわかる。
▼しかし、実は髪の色はS-log2 S Gamutが一番本物に近い色で写っている。
髪の色

▼でもやっぱり空はおかしいし、水の色もおかしい。どういうことだ。
s-log2 s gamut

▼理由は、S-log2では露光によって色がシフトしているからだ。露光不足だとマゼンタより露光過度だと青寄りになる。
s-log2での色味の変化

▼a7SとGh4と比較するとGh4の方が空の色が正しい色で写っている。
空の色の違い

色味の正確さは、Canonがトップで、その次にPanasonic。最後がSonyという印象だ。

ダイナミックレンジ

ダイナミックレンジは、カラープロファイルやら露光の設定等の要素がおもいっきり結果を左右するので、二つのカメラを比較するのが非常に難しい。ただ間違いなく言えることは、a7SとGH4は両方ともCanon 5D mark3よりは絶対にダイナミックレンジが広いということだ。だけどGH4とA7sの比較は場合によって結果がかわるのでどっちのダイナミックレンジが広いのかははっきりしない。

ダイナミックレンジ

レンズ

a7Sには現在まだ5つしかネイティブのレンズがない。APS-Cのレンズを使うこともできるが、ネイティブレンズは重要だ。ソニーにF2.8のレンズは作らないのかと聞いたところ「カメラのバランスが崩れるから・・・」とあまり良い返事ではなかったが、まだ可能性はあると思う。

SonyのFEレンズには大きな問題がある。それは、フォーカスリングを速く動かしたときとゆっくりのときでフォーカスの動きが全然違うので、マーカーをつけることができないというところだ。Daveは、全部CANONレンズを売ってSonyのレンズに変えようかと思っていたが、この問題があるので辞めたとのことだ。Daveが持っている二つのFEレンズで両方同じ挙動をしている。

フォーカスリングの動き

ちなみにa7SにMetabonesを使ってCanonのレンズを使っても、オートフォーカスの速度は遅すぎて使い物にならない。まぁ、動画ならマニュアルフォーカスでやるだろうから問題ないが、スチール撮影には大きな減点ポイントだ。

逆にa7sのフォーカス機能で便利なのが、パンチイン機能だ。これを使えば撮影中にディスプレイ上でズームインしてフォーカスを合わせることができる。

スチール

スチール撮影のパフォーマンスを比較すると、GH4の方が圧倒的に連写が速かった。特にオートフォーカス機能を使った連写はa7Sはダメダメだ。a7Sはスポーツの撮影には全くむいていない。

▼この様にオートフォーカスで連写するとほぼ1枚目しかピントが合っていない。
AF連写1

AF連写2

AF連写3

Sonyの12メガピクセルのセンサーで撮影した写真はどんなもんなのか

▼ISO2000でも色がはっきりしている。
ISO2000のスチール

▼ダイナミックレンジのハイライト復元率もすごい。
色の復元率 色の復元率

▼夜の撮影も素晴らしい。
夜の撮影 夜の撮影

▼スポーツには向いていない。個別ショットはいいけど、AFの連写は無理だ。
ピンボケ ピンボケ

▼HDR撮影も専用のモードがある。
HDR画像 HDR画像

▼インドアスポーツは暗い開場だと、高ISO撮影の強みを発揮できるので良い。
インドアスポーツ

▼軽いし、暗いところも綺麗に映るし、ある程度は濡れても大丈夫なのでアウトドアにも向いている。
キャンプファイヤー

キャンプ

耐水性

▼12メガピクセルの画像を30cm×76cmに印刷しても綺麗だ。 
拡大印刷

a7Sの欠点

・録画ボタンの位置がおかしい。A7とA7Rというスチール向けのカメラを先に開発してからの流れで動画向けカメラのA7Sが開発されたので仕方がないことかもしれないが、ファームウェアのアップデートでメインのシャッターボタンでも動画録画を開始できるようにしてほしい。

・ディスプレイ上で、ヒストグラムがアパチャを変更しているときに消えてしまう。変更が終わるとまた表示されるのだが、一番ヒストグラムが見たい瞬間に消えているので凄くもどかしい。

・動画のホワイトバランスの設定をするには、まずスチールモードに入ってからじゃないとできない。ビデオモードから直接ホワイトバランスを調整できるようになっていてほしい。

・オートフォーカスが極端に遅く、被写体が静止していても4秒間くらいかかる。

A7S vs GH4 まとめ

ディテール

ISO800以下ではGH4の勝ち
高ISOではA7Sの勝ち

GH4の勝ち

フォーカス

マニュアルフォーカスはパンチインのする機能があるのでa7Sの勝ち
オートフォーカスはGH4の勝ち

シャープネス

GH4が勝ちだが、シャープすぎるのが嫌な人にとってはa7Sが勝ち。

操作性

GH4はタッチスクリーンがあるのでGH4の勝ち

EVF

GH4のEVFではモアレがおこるが記録されるものは綺麗。a7SではモアレはEVFでもおこらない。だが、GH4のほうが明るくシャープで見やすいEVFなのでGH4の勝ち。

重さ

本体の重さでいうとa7Sの方が軽いが、ソニーのレンズは大きく重く、GH4のマイクロフォーサーズはレンズは小さく軽いので総重量ではGH4の勝ち。

iPhoneリモート操作アプリ

GH4のほうが機能も多く、遙かに使い方が解りやすいので勝ち。Sonyのアプリは非常に使いづらく混乱しやすい。

パソコンでフッテージを再生したときのCPUにかかる負担

a7sは11-14%
gh4は25%
GH4は4Kでa7sは1080pなので当然の結果ではある。

バッテリー

a7Sは最長4時間持つとのことで、実際にぶっ続けで使用した時は1時間57分持った。GH4はその大体倍くらい持った。でも、バッテリー自体の大きさもGH4が倍くらいなので同点だろうか。

バッテリー比較

どちらのカメラがあなたに向いているのか

a7Sがオススメの方

・暗いところの撮影が多い
・不動産の室内画像等ワイドアングルな撮影をすることが多い(ワイドレンズさえあればGh4のほうがいいかも)

GH4がオススメの方

・明るいところでの撮影が多い
・グライドカムを使う場合(軽いので有利)
・旅行やアウトドアでの撮影(軽くてコンパクトだから)

サイズ比較

オーディオ

オーディオの録音性能はa7Sの方がGH4よりも優れている。というのは、ホットシューから入力できるからだ。また、GH4はオーディオシンク問題があり、なぜか1フレーム分音だけ前に移動するという現象が起きている。尚、この問題はファームウェアアップデートで修正されると予想している。

結局Daveはどっちを買ったのか

結局a7SとGH4、両方を購入したとのことだ。

Upitivityのサイトのテーマである「4K動画」だが、a7Sでは外部のレコーダーに接続しないと4Kでの撮影はできない。つまり4Kを撮影するには総額50万近くかかってしまうのだ。そう考えると、コストパフォーマンスとしてはGH4が圧倒的に上だと言える。

この記事で紹介した機材


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