9つの映像撮影術アドバイス

By 2014年11月18日映像撮影のコツ
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9の映像撮影術アドバイス

1.被写体を周りのものから孤立させるには長いレンズを使う

GH4はフルフレームに比べるとセンサーサイズが小さいので、被写体との距離をしっかり取った方がもっと長い焦点距離と奥行きがある画が撮れて、より立体感のある映像になる。狭い被写界深度は魅力的だが、長い焦点距離があれば更に被写界深度がコントロールしやすくなる。
f値を好きなだけ下げて遊んでみるといい。

2.ムードを増すには要素を減らす

映像を作るにあたって、画の中に表示するものには敏感にならなければならない。「何を映すか」と同じくらい「何を映さないか」も重要だ。撮影の時に、不要な要素をすべて移動してカメラに映らないようにするのも映像制作者の仕事だ。特に、映像で見せたいものが表情などの微かな部分だというときはミニマルな映像が求めららる。余計なものが映っていると、見てる人は気が散って映像が伝えようとしている部分を見逃す可能性が高い。シーンに関係のないものは徹底的に排除しよう。最近のカメラは非常に細かいディテールまでクッキリ映し出すことができるので、映像を暗くするなどして敢えて非現実的に見せるなどの対処をするのも良い。
映像制作は、現実をありのまま再現することが目的ではない。役者が演じてるただの嘘のストーリーではなく、映像は魔法の窓のような存在であるべきだと思う。例え映像のスタイルがリアルなものだとしても見ている人は魔法にかけられたいと願っている。
暗くする以外にも色々できることはある。例えば壊れたフィルター、かなり古いレンズを使ったり、ガラスの破片をレンズの前に固定してガラス越しに撮影するなど。色々試して実験する価値はある。映像のメッセージが明確すぎると映像としての魅力が半減する。オーディエンスは自分で考えるのが楽しく感じる。フレーミングと画面構成BGMは作り上げようとしているムードを伝えるためのサブリミナル要素だと考えよう。オーディエンスの視線は常に画面上をウロウロしている。それを意識的に誘導するように意識しよう。その技術が人を惹きつける映像制作に繋がる。

3.カメラの存在を意識させない

オートフォーカスを使った動画を見ていると、そのフォーカスの不安定さに意識がいっていまい、その映像がカメラで撮影されたものでその後ろにはカメラマンが居るという事実を思い出してしまう。オーディエンスにかかっていた魔法が一瞬にしてとける。
カメラはコンテンツに完全に溶け込んで、オーディエンスにはカメラの存在を完全に忘れさせる必要がある。例えて言えば、カメラの動きが意図的ではないものであったりムードにマッチしていない動きをしたときに、オーディエンスは「魔法をかけるトリック」自体ではなく、「それを操るマジシャン」のことを考えてしまうということだ。

4.時間とお金を「人」に使う

映像制作はコラボレーションだ。
一人ですべてをコントロールしたいという気持ちを誰もが持っているが、他の人の助けがないと、大抵の場合、妥協のない映像を作るためのモチベーションも足りなくなるし、そもそも一人では制作自体も難しい。都会に住んでいると、才能の持ち主が大抵わんさか居るので自分のビジョンを実現できるチームを結成するのは比較的楽だが、それでも大変なことだ。
運と人脈と、大勢の中からキラリと光る人材を見つけ出すスキルが求められる。良い人材は見つけるのが非常に難しいことだ。多くの人は、平日に自分が本当にやりたいと思っていること以外のことを仕事にしてクリエティブには生きていない。色んな要素に惑わされることもあるだろう。例えば、恋人だったり、キャリア、お金…一時的に上手く行ったとしても、本当に成功するには映像がただ好きなだけじゃなくて映像中毒の人を集めることが必要だ。

5.他の人の作品を参考にしつつも自分の持ち味を加える

どんな優れたアーティストも他の人の影響を受けているが、それでも自分らしさを加えて完全に新しいものを作りあげている。
そもそも他の人の真似だけをしてなんの意味があるのか?これは作品作りだけじゃなくて人生についても言えることだ。
自分自信の体験を見つけて、世の中に対する自分の考えを強く持ち、自分の持っている情熱を構築していくことで、アーティストとしてのオリジナルの個性が生まれる。そして自分のアーティストとしての考えが、どのようなアングルでカメラを構えるかを変える。ただ美しいだけの画は簡単に撮れる。それにメッセージを持たせて個性的に仕上げるにはあなた自信の個性が必要になる。
手始めとしては、自分の好きなテーマはなんなのか考える。例えば、自分にとって心に響く音楽を一つ選ぶ。その曲を脳内で再生しながら何かを撮影してみる。その曲のムードに合うように意識しよう。そして、その曲のメッセージとリンクする要素を映像に取り入れる。あまりに明らかなものではなくて、少しわかりづらいくらいのものがちょうどいい。オーディエンスに自分の言いたいことのヒントを出すような感じだ。そして映像が撮り終わったらそれを思い浮かべていた音楽をBGMにして編集する。これを実践してみるとどれだけ自分らしさや、自分自信の考えが映像の仕上がりに影響するのかがよくわかるはずだ。インスピレーションが必要なときは、vimeoのstaff picksを見るとクオリティの高い作品がたくさんあるのでオススメだ。

6.失敗を恐れずリスクを負う

クリエイターがリスクを避けるようになると、作品のクオリティも比例して下がっていく。失敗を恐れて、デスクでひたすら「完璧なアイデア」を考えるよりも、その時間を使ってたくさん実践をして失敗したほうが良い。映像制作のスキルを身につけることは、デスクで白紙を眺めることでない。それよりも実際に役者を使ったリハーサルの撮影をして、新しいアイデアを探し求めよう。完璧なアイデアじゃなくてもいい。たが、そうやって手を動かして少しづつ感覚を掴んでいくことによって、コンセプトがどんどん完成されていくものだ。失敗を恐れいてるばかりでは、個性的にストーリーを伝えることはできない。失敗した撮影は映像制作者にとって勉強になり、成功した実績と同じくらい映像制作技術が磨かれる効果がある。もちろん、いいアイデアを考えるのに時間をかけることが無意味だとは言わない。でも、そのアイデアで失敗を恐れて保守的にならないように気をつけるべきだ。どんだけ無難と思える撮影でも失敗は避けられないことが多い。だが、失敗は、クリエイティブなリスクがかかっているときだけ意味がある。

7.光の効果に敏感になる

これは自然光でも、公共のロケーションでも、スタジオで念入りにライティングを設定したときも同じだ。光は映像を形作る。曇りの日の日中の光は、コントラストもなく、影もなく、テクスチャも形もなく、とてもフラットな光だ。たが、「悪い光」なんてものは存在しない。この光が映像の内容にマッチすればそれでいい。逆にキツく硬いライトでコントラストがありすぎるライティングも、そういうムードのシーンであればそれで問題ない。つまり、必ずしもなんでも美しいライティングやマジックアワーに撮影をする必要はないということだ。

近所の道でいろんな光の中で映像の映りとムードがどのように変化するのかを把握しよう。一度早朝に起きて撮影して、そして日没や夜も撮影して、どのようにムードが変わるかを自分の目で確かめるといいだろう。すべての状況での映り方を把握したうえで、自分が撮影したいのはどういう光が似合うのかを検討して選択するのがいい。

8.細部のディテールにこだわる

完璧主義者は映像制作に向いている。 スタンレー・キューブリック監督の映画が没入型なのは、魔法がとけてしまう要素が皆無だからだ。現実の撮影ロケーションのセットを隠すために一切手抜きをしていないのがよくわかる。現実の撮影ロケーションには、撮影クルーがいて、カメラがあり、役者がいる。映像に何かしらの欠点があると、一瞬で映像の魔法がとけて、その撮影ロケーションの現実がオーディエンスの脳内で見えてしまう。そうさせないために説得力のあるものと、そうでないものを見分ける能力が必要だ。素晴らしいディレクターはそれを本能のように見分けられる。説得力のある演技は説得力のある照明と説得力のあるカメラワークで支えら、演劇よりも説得力のある映像に仕上がる。

ラース・フォン・トリアー監督は「ドッグヴィル」で、一般的なセットは使わず、黒いステージのようなところで、床に建物の壁を示す線を引いただけのセットで撮影をした。照明もかなりシンプルなもので、カメラは手持ちだったがそれでもオーディエンスの魔法を溶かすことがなかったのは、徹底的に魔法を壊すような要素を排除したからだ。演劇プロダクションと同じようなセットで、画面に映るのは才能のある役者とセリフだけだ。オーディエンスは才能のある役者の演技の幻覚に没入する。映像制作者として、オーディエンスをさらに引き込むことができなければ、失格だ。これはセットのデザイナー、メイクさん、照明の技術者も含め、制作に関わるすべての人に共通して言えることだ。

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9.シンプルなものにもドラマを見つける

ミニマルな撮影のアプローチはパワフルだ。そしてそれには、最も興味をそそる部分だけを優先することが大切だ。例えば、役者が部屋に入る時に靴を脱ぐシーンがあったとする。この時にある程度の距離から撮影して役者全体を映すのか、それともちょうど良いタイミングで足元だけを映すのかの違いだ。こういう映し方はボディーランゲージを強調する。そういう意味で偉大なる写真家のアンリ・カルティエ=ブレッソンから学べる点は多い。彼の写真では動いているものを完璧なタイミングで素晴らしい構図で捕らえている。タイミングは自分のコントロール外の要素であることも多いが、画面の構図と同じくらい大切だ。

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要するに、最も興味を引いて美しい構図を探して、その構図に貢献しない要素を省くということだ。背景の明るい原色のモノがムードを壊すようであれば、それが写りこまないように工夫するべきだ。

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